自己同一性障害

自己同一性障害


 境界性パーソナリティ障害の人には、自己同一性障害があります。自己同一性障害は、自分がどんな人かわからないという症状です。なにが欠けているかわからない、もやもやとした不完全な感情に苛まれます。

 

自己同一性障害の原因

 自己同一性とは、自分の感覚としても、社会から見ても一貫性のある安定した自己の性質のことです。アイデンティティと同じ意味です。
 人は、自分がどこの国に住む何人で、こういう家庭や地域で育ち、こういう仕事をしているなど、一貫した自己像を持っています。幼い頃はそれがはっきりしませんが、成長とともに、社会に出て年齢を重ねるとともに、確立されていきます。
 境界性パーソナリティ障害の人は、そうした自己同一性を固めていく過程がうまくいっていません。

 

適切な判断ができない

 自分がどのような人かという感覚が不確かなため、いろいろな判断や行動がうまくいきません。
 例えば、

  • 簡単に他人から強い影響を受けてしまう。
  • 他人と自分を区別できなくなり、他の人と自分を重ね合わせて同じように感じたりしてしまう。
  • こういった判断や行動が受け入れられないと、怒りや抑うつ感で心がいっぱいになる。

 

解離性症状が現れることも

 強いストレスによって、自分の考えや感情、意識の一部が、他の部分から切り離される状態を解離といいます。
 解離の症状には次のようなものがあります。

  • 解離性健忘、解離性遁走(自分の行動に記憶が無いこと)
  • 解離性同一性障害(=多重人格)(自分の一部が、他の人から見るとまるで別人の振る舞いのようにみえること)
  • 離人症性障害(自分が自分でないように感じる)

 境界性パーソナリティ障害の人では、抑うつ感や怒りにおそわれた時に、解離性症状が起こることがあります。

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