境界性パーソナリティ障害の診断基準
アメリカ精神医学界が作成した「精神疾患の分類と診断の手引き」(DSM)から、境界性パーソナリティ障害の診断基準を紹介します。
境界性パーソナリティ障害とは、対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる、以下のうち5つ、またはそれ以上が存在すると認められることによって診断される。
- 現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと)
- 理想化とこきおろしの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係様式
- 同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像または自己感
- 自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、むちゃ食い)(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと)
- 自殺未遂、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し
- 顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2〜3時間持続し、2〜3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い不快気分、いらだたしさ、または不安)
- 慢性的な空虚感
- 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかを繰り返す)
- 一過性のストレスに関連性した妄想様観念または重篤な解離性症状
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