自傷行為
境界性パーソナリティ障害の人の中には、空虚感や抑うつ感、見捨てられ不安などの精神的な苦痛から逃れるために自傷行為に走る人がいます。
様々な自傷行為
自傷行為には次のようなものがあります。
- 刃物などで皮膚を切る。(手首の場合リストカットと呼ぶ)
- 尖ったもので皮膚を突き刺す。
- 頭をぶつける。
- 釘などで体に穴をあける。
- 物に体の一部を強くぶつける。
- 皮膚をむしる。
- タバコなどで皮膚を焼き焦がす。
- 大量服薬。
特に手首を切るケースが多く、日本でもリストカット症候群と呼ばれ話題になりました。
自傷行為のきっかけ
自傷行為のきかっけはさまざまです。
- 対人関係から生じるストレスや悩み
- 強い苦痛を伴う心の苦しみ
- 虚しさや焦燥感
- 強い抑うつ感
境界性パーソナリティ障害の人が自傷行為を行う根底には、自分は取るにとらない存在だという自己否定感や罪悪感があります。
自傷行為を行った人のうち66%の人が、自分の問題を解決困難と感じています。しかし、実際には、他人からは些細なことにみえるようなものです。些細なことでも大げさに感じ取ってしまうといった境界性パーソナリティ障害の特性が自傷行為につながってしまうのです。
自傷行為は繰り返される
境界性パーソナリティ障害の自傷行為は繰り返されることがほとんどです。自傷行為で一時的に気分を紛らわせても、また、抑うつや見捨てられ不安などから逃れるために自傷行為をしてしまいます。そしてその行為はエスカレートしていくことも少なくありません。
自殺に発展する危険
自傷行為を行う人は、死にたいからおこなうのではありません。生きていることの苦痛から一瞬でも逃れたいから行うのです。むしろ生き延びるための行為であるともいえます。
しかし、自傷行為を繰り返すうちに、本格的な自殺に発展する可能性が高まることが分かっています。自傷行為の慢性化を防いで、自殺への発展を防ぐ対応が重要です。
自傷行為|境界性パーソナリティ障害関連ページ
- 憤怒
- 境界性パーソナリティ障害の症状を紹介します。境界性パーソナリティ障害の人は、些細なことから激しい怒りを噴出させます。
- 二極思考
- 境界性パーソナリティ障害の症状を紹介します。境界性パーソナリティ障害の患者には、二極思考の症状が現れます。白か黒か、全か無か、敵か味方か、0か1かといった両極端な考えに陥りやすくなります。
- 衝動的行動
- 境界性パーソナリティ障害の症状を紹介します。境界性パーソナリティ障害の患者には、衝動的行動の症状が現れます。感情だけでなく行動のコントロールもうまくできなくなります。
- 見捨てられ不安
- 見捨てられ不安という不安定な対人関係について紹介します。境界性パーソナリティ障害の症状として現れることもあります。同じ人に着いたり離れたりを繰り返します。
- 対人操作
- 境界性パーソナリティ障害の症状を紹介します。対人操作は境界性パーソナリティ障害の特徴的な症状です。自分を有利にするために、嘘をついたり、悪口を言ったりします。
- 空虚感
- 空虚感や虚無感、無力感に苛まれることは誰にでもあると思います。それが具体的にどういうことなのか、放って置くとどんな悪影響があるのかを紹介します。
- 抑うつ
- 境界性パーソナリティ障害の症状を紹介します。境界性パーソナリティ障害の人は、抑うつが見られます。
- 被害妄想
- 境界性パーソナリティ障害の症状を紹介します。境界性パーソナリティ障害の人は、被害妄想をしがちです。ときには幻聴や昏迷といった症状が見られることもあります。
- 自己同一性障害
- 自分がどんな人間かわからない!?自己同一性障害という状態について紹介します。境界性パーソナリティ障害の症状として現れることもあります。なにが欠けているかわからない、もやもやとした不完全な感情に苛まれます。