境界性パーソナリティ障害と離婚

大学で出会った妻と結婚

　私が妻と出会ったのは大学生の頃です。同じ学部で同じゼミ。そのことがきっかけで、仲良くなり、付き合うようになりました。そして大学卒業後３年ほどして結婚。夫婦共働き。妻はIT業界のエンジニアとして卒業後から働いていました。

うつ気味な妻はどんどんネガティブになっていき、オーバードーズをしてしまった

　結婚後少ししてから、少しずつ妻の様子がおかしくなっていくのを感じるようになりました。ささいなことからイライラするようになり、あるいは気分がひどく落ち込んでいるような様子で、自分を否定するような発言を繰り返すようになったのです。
　妻は以前よりうつの傾向があり、心療内科に通院し、薬を処方してもらっていました。しかしある日、処方された薬を大量に摂取（オーバードーズ：OD）し、自殺行為を図るという事件が起こりました。（参考：自傷行為）
　妻の異変に戸惑い、離婚という考えも頭によぎった私でしたが、一緒にこの病気に対処していくことが夫としての勤めだと考えるようになりました。

精神科に転院、境界性パーソナリティー障害も発覚した

　まずは通院していた心療内科から大きな病院の精神科に転院することから始め、薬物療法による治療を開始しました。（参考：病院・医療機関の探し方）境界性パーソナリティ障害とうつ病を発症していた妻は、うつ病などで使われる抗うつ薬や、統合失調症などで使われる抗精神病薬を処方されていました。
　処方される薬は以前よりも多くなったのですが、薬を飲み始めて数ヶ月すると、以前よりも確実に感情の起伏や体調の変化が安定してきました。休職して治療に専念したのがよかったのかもしれません。妻と接するときは、「会話内容を否定しないこと」、「感情的にならないこと」、また「なるべく妻の側にいてあげること」を心がけました。私も仕事が忙しく、なかなか時間を合わせることができない部分もありましたが、可能な限り早く家に帰るようにしました。
　（参考：境界性パーソナリティ障害の患者との接し方）

妻のせいだけにせず一緒に問題に向き合う

　妻は現在も、仕事を休職しながら症状と闘っています。長い闘いになるかもしれません。しかし、境界性パーソナリティー障害は一生続くものではなく、ましてや人格の障害ではないということを学んでいます。適切な薬物治療を行うようになって、症状も安定してきています。必ず治療できるものだと実感しています。　すれ違いの生活、夫婦間のコミュニケーション不足を感じていた以前の状況を省みて、まずはしっかりと相手と寄り添うことが重要だと感じています。これからも妻だけの問題にするのではなく、私も一緒に病気に対処していきたいと考えています。

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