対人関係療法
広く行われている精神療法です
対人関係療法は、本人にとって重要な人との関係に焦点をあて、対人関係の症状を改善を図る精神療法です。
対人関係療法は、もともと1960年代にアメリカでうつ病の治療法として開発されました。その後、研究が進み、摂食障害などさまざまな心の病気に応用されています。
現在は日本でも、普及しつつあり、医療機関だけでなく、心理相談や精神保健の分野でも行われています。
境界性パーソナリティ障害の人の対人関係のパターン
境界性パーソナリティ障害の人は、問題を起こす対人関係のパターンを持っていることがあります。
対人関係療法では、そうしたパターンがなぜ起こるのかを明らかにしていきます。
【パターン例】
- 相手に見捨てられることへの恐れに押しつぶされて、「自分は価値のない人間」と思い込んでしまい、自傷行為などの自己破壊的な行動を起こすパターン。
- 相手に見捨てられることへの恐怖から、なりふり構わず相手に密着し、1日何十回も電話やメールをしてしまうなどの迷惑行為に走るパターン。
- 相手にひどい目にあわされても耐えてしまい、心身に大きなストレスを受けるパターン。
対人関係療法の行われ方
- 医師やカウンセラーなどの治療者と本人が話し合って、治療の目標を決め、必要ならば治療契約も交わします。
- 治療者は、本人が持つ対人関係のパターンを調査し、そのパターンを変えていこうとする意志を本人に持たせます。
- いつも陥りがちな対人関係のパターンに陥らないためにはどうしたらいいか、さまざまな工夫をしながら学習体験を積み重ねます。
また、対人関係療法では、個人面接だけでなく、家族など重要な他者を交えての合同面接も、積極的に行われます。
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